今日は山猫堂では何故侍の甲冑をモチーフとしたアクセサリーを作っているかを説明したいと思います。
その理由はまたも漆です。
漆でアクセサリーを作るに当たり、何に漆を塗るかを考えました。
漆のアクセサリーといえば、大抵木に漆を塗ったものですが、
やはり耐久性などを考えると金属が最適です。
しかし、ただ金属に漆を塗っただけでは関連性が見えない、
他の塗料でもいいじゃないかということになってしまいます。
そこで金属と漆の接点を探し、そこに甲冑を発見しました。
甲冑は鉄や革の下地に漆を塗ったものが主で、
極めて日本的なものとして世界に知られ、
かつ戦国時代の甲冑は冗談かと思うくらいに奇想天外な形の兜が多く作られており、
まさに海外の人に向けて作る為に私が求めていたその物でした。
そうして山猫堂のモチーフとブランドコンセプトが決まりました。
私にはこの甲冑という題材をできるだけ忠実にアクセサリーとして再現したいという思いと、
甲冑のエッセンスを上手くデザインしてモダンなアクセサリーを作りたいという相反する思いがあります。
中々私自身の能力が追いつかず、思い通りに実現出来ていませんが、
将来的にはこの二つのラインで展開していきたいと思っています。
コンセプトを決めて以来、甲冑に関する資料をかなり集めましたが、
本当に「変わり兜」は面白いです。
武士の誇りと見栄と自信が生み出した数々の奇抜な造形、それに答えた職人の技量、
作りたいものが多すぎて、自分の手の遅さにフラストレーションが溜まります。
でも最近ようやく良いデザインが思い浮かびました。
作りたいものと実用性が上手くミックスされていると自負しています。
もうしばらくしたら、ここを見ていただいている特殊な?素晴らしい方々にご紹介できると思います。
では、今日はここまでにいたします。
また来週。