今年はじめて挑戦してみた伝統工芸展でしたが、残念ながら落選の知らせが届きました。
応募を決意するのに時間がかかり、準備不足は否めませんでしたので、結果には正直納得しています。
悔しくないといえば嘘になります。
というより、ほぼ二ヶ月間、丸々作品制作に当てていましたので、メチャクチャくやしい!
来年必ずもう一度挑戦したいと思います。
もう何を作るか決めてありますので、しっかり準備したいと思います。
そこで今回は誰にも見てもらうことがなくなってしまった作品をここで紹介したいと思います。
まずは御覧下さい。
作品名は “乾漆虎竹塗 組酒器 「捨身」”
ぐい呑み、お猪口、皿、酒器の四つの器を一つに合わせると一本の竹に見える酒器セットです。
作品名の由来は先ず「竹の酒器」と決めました。
そして竹と言えばよく題材として取り上げられるのが「竹林に虎」
調べると私の両親の故郷の高知県に「虎斑竹」という虎の模様が出る竹が産出するらしく、
それにちなんで虎竹模様を表面に描くことにしました。
そこで「虎」と「竹」にちなんだ故事を探していたら、「金光明経」という仏教の古典の「飼虎捨身」の中に、
中国の王子が竹林の中で飢えてやせ細った虎の親子に出会い、
自分の身を捧げることにより虎を助けたという一節があり、
それにちなんで「捨身」と名付けました。
自分の技術のレベルが伝統工芸展に通用するかわからない中、
「捨て身で応募する」という意味も込められています。
案の定ダメだった訳ですが…
しかし、製作過程で色々勉強できましたし、
反省点も多々有りますが新しい表現手段も手に入れることが出来たと思いますので、
これを自分の仕事にも活かして行きたいと思っています。
もしどなたかがご覧になり、ご意見がございましたらよろしくお願い致します。
ではまた。