さて今回は山猫堂のアクセサリーが
何故サムライやヨロイモチーフなのかについて御説明いたしましょう。

それは単純な連想ゲームから始まりました。
「アクセサリーを作るにあたり、何をモチーフにしようか」
「漆職人が作るからには漆に関連したモチーフがいい」
「器? 仏像?」
「そう言えばヨロイって漆塗りだって聞いたことがある」
「金属に漆を塗るのはヨロイと一緒だし、ヨロイって改めて見るとカッコイイかも」
と思い出し、色々調べてみると、
・主に鉄板で出来ているヨロイの腐食防止の為に漆を塗っていた
・漆塗りをすることでヨロイの強度も上がった
・甲冑は戦国時代に多種多様な形が生まれ、デザインが豊富
ということがわかりました。

「これはいける!」
てな訳で現在に至っております。

本物のヨロイは主に鉄板に漆塗りを施していますが、
山猫堂のサムライシリーズはスターリングシルバーに漆を塗っています。
メンズアクセサリーは主にスターリングシルバーで作られているという理由もありますが、
シルバーは西洋で神聖なものとして、
教会で使われたり、(狼男を倒す銃弾に使われたり)していました。
漆も古来から神事で使われる器に塗られたり、
いわゆる「ハレ」の場面で使われて来たものです。
アクセサリーという物もファッションだけでなく、
「御守り」として身につけられてきたという一面もあります。

ですので、「漆」と「銀」を使って
戦場でサムライの身を守るヨロイをモチーフとしたアクセサリーを作ることは、
「御守り」としての力をより強めてくれる、のではないかと思っています。

サムライシリーズはこれまで
面頬ペンダント
面頬ピン
面頬カフス
胴リング
兜リング
面頬ペンダント小
兜ペンダント
前立リング
刀リング
忍リング
と作ってきました。

まだまだ作り足りないので、今後もサムライシリーズは拡充していきたいですね。
もっと凝ったデザインで緻密な造形で勝負していきます。

 

では
またのお越しをお待ちしております。

 

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前回の話の続きです。 山猫堂の特色、それは「焼付け漆」という技法です。 先ずは通常の漆塗りを説明しますと、 絵の具は水分が蒸発することにより固まります。 ペンキは揮発成分が蒸発することにより固くなります。 漆はそれとは異なり、空気中の水分と漆の成分が結合して硬化する、という性質を持っています。 ですので、通常の漆塗りは漆を塗った後、 適度な湿度と温度を保った部屋、もしくは箱の中に置かなければ硬化しません。 しかし、漆にはもう一つ硬化する条件があります。 漆は焼けるほどの高温に晒すことで硬化するという隠れた秘密があるのです。…