工芸って
伝統工芸と呼ばれることをやっている身において
工芸とは何なのかを考えてみる。
工芸とはかつて人間の技術の最高峰にあり、賞賛されるべきものだった。
それが現代になり工業製品が台頭し、アートが力をつけ、人々は民芸に心の安らぎを求めた。
工芸はいつしか「保護するべきもの」になり、輝きを失ってしまった。
正直に言って現在の工芸作品に心を動かされるものはそう多くない。
過去の模倣と現代の後追いの域を出ていない気がする。
しかし、「凄い!」と思える作品も確実に存在するのも事実。
そんな作品を生み出す人がいるからこそ、それを超えようと私はこの世界にいる。
結局カテゴライズに意味はないのだろう。
工芸だろうがアートだろうが、民芸だろうがお土産品だろうが、
それが好きならそこに価値が生まれる。
結局の所、人の心が動くかどうか、それだけが判断基準でいいはず。
作り手も、買い手も。