コイのオーダー
鯉のペンダントのオーダーを頂きました。
今まで販売していたものよりひと回り大きくし、
お好みの柄を入れました。
実は漆はピュアホワイトを出すのが難しい塗料。
どんなに白い顔料を使っても、漆本来の色でどうしてもベージュっぽくなってしまいます。
焼付け漆でも真っ白にはできません。(いつかはやってやろうと挑戦中)
鯉の地色の白を銀で置き換えて朱漆と黒漆で柄をシンプルに表現しています。
オーダーでは白も入れたいということでしたので、
単純に白漆を塗るのではなく
今までやりたいと思っていたことに挑戦してみることにしました。
その挑戦とは貝を使うこと。
漆芸では「螺鈿」といって貝を使う技法が有名ですが、
挑戦したいのは銀に貝を埋め込むやり方。
貝で白を表現しようというわけです。
もちろん使うのはその名の通り「白蝶貝」。
ピンポイントで埋め込んで銀も生きるようにし、
その上から漆で柄を描きました。
この方法は面白い。
金工の幅が広がり色々な使い方ができる可能性がある、と感じました。
オーダーしていただいたイギリスのお客様には
気に入っていただけたようでホッとしています。
漆貴 山猫堂ではオーダーメイドは大歓迎です。
この世にたったひとつだけの「何か」を一緒に作りましょう。