漆の種類のまとめ
漆に興味があって買ってみようと思って東急ハンズなどに行くと
結構いろんな種類があって、どの漆を買ったらいいか迷ってしまう事があると思います。
かく言う私も最初に漆を買った時は訳もわからず勘で選びました。
今はネットである程度調べられるので、そう言うこともあまりないと思いますが、
漆の種類について軽く紹介してみようと思います。
●「生漆」(キウルシ)
ウルシの木から採れた樹液そのまま。茶色がかった乳白色。
これを加工することですべての漆が作られる。
ワックスのように木に刷り込んで使ったり、土などの粉末に混ぜて下地材を作ったりする。
匂いが強い。
●「木地呂漆」(キジロウルシ)
生漆を撹拌し、成分濃度を一定にする工程「ナヤシ」と
熱を加えて漆の中に含まれている水分を飛ばす作業「クロメ」をすることで扱いやすくした漆。
マットな塗り肌になる。
●「朱合漆」(シュアイウルシ)
木地呂漆に油を適量混ぜたもの。
油を混ぜることにより、塗ったあと磨きの工程をせずとも光沢が出る。
顔料と混ぜれば色漆を作る事ができる。
●「呂色漆」(ロイロウルシ)
「黒呂色」なら「木地呂漆」に酸化鉄溶液を加えることで作られる。
「朱呂色」なら木地呂漆に顔料を加える。
呂色漆は大抵塗った後に磨きの工程を加えることにより鏡面仕上げする。
●「塗立漆」(ヌリタテウルシ)
木地呂漆の代わりに「朱合漆」で黒や色を出した漆。
塗ったままで光沢のある仕上げになるため、器などの仕上げに使われる事が多い。
呂色とは異なる独特の仕上げになる。
●加工漆
漆をさらに使いやすくするために研究開発された漆。
紫外線に強い漆や、従来は濡れなかったガラスに塗れる漆などが有名。
以上は簡単な説明のため、足りない部分もあると思いますが、
漆を知っていただくために敢えて簡潔な表現にしています。
他にもグレード違いや用途の違いにより、様々な種類の漆が存在します。
金継ぎを始める方はとりあえず「生漆」「朱合漆」。
「拭き漆」をやってみたい方は「生漆」を揃えればOKです。
興味のある方は一度試しに購入してみてはいかがでしょうか。